六の宮の姫君

2004年5月9日 読書
本格ミステリの中でも北村 薫が一番好き。この人を知ったのはまだ宮城県で高校生やってた頃で、図書館で借りて読んだのがきっかけだった。殺伐とした殺人事件が起こらない本格ミステリっていうのが新鮮で、やさしい文体に惹かれたんだと思う。
 実はこの六の宮の姫君という小説は、芥川龍之介の同名小説がなぜかかれたかということを一冊丸々考察しているという変わった内容。菊池寛などの同時代の小説家の話もたくさん登場する。
 1999年に文庫化されたこの小説の中で、菊池寛の「真珠夫人」について、「今どき千人に聞いても読んでない」という表現が使われている。でもその後で、こんな表現がある。「テレビの原作にぴったりだと思います。波乱万丈ドラマが流行ってますけど、新しく作らなくても『真珠夫人』をやればいい筈です。」
 大学生になって、昼ドラで「真珠夫人」が話題になったとき、この表現を思い出した。2004年になって「真珠夫人」はもう「千人に聞いても読んでない」小説ではなくなったんだろう。私は読んでないけど。
 こういう文学の勉強ってもし今の学部にきていなかったら、やってみたかったことでもある。いいなぁと思いつつ、テストの前になるとこういう風に本に逃げる自分を改めて認識。あぁ、これから少し勉強しなきゃ…

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Ume

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