哲学者の密室

2005年1月30日 読書
 文庫版で1100ページ以上もあるこの作品。実習中に読んだ私は現実逃避か単なるバカか、多分両方なんだけど(“りょうほう”と入力して“療法”が最初に変換されるこのパソコンもどうかと思うけど)。
 この作者の作品へは初挑戦。どうやらあとがきとか見るとこれから入るのはちょっと間違った選択だったようですが・・・傑作の呼び声が高い作品ということだったので。
 読後感としては、これって主人公の口を借りたハルバッハ哲学(ハイデッガー哲学のこと?だと思うんですが・・・)の批判が主体で、事件解決の経過がちょっと強引というかこじつけ的というか、いまいち納得できなかったかも。作者の哲学に関する思索が深く、一般人が読んでもある程度わかる哲学論議っていうのは興味深いと思った。
 ただ全編が結構引き締まったハードな雰囲気を漂わせている中で、ナディアの思いの分析は私的にはあんまり好きじゃないかも。ナディアをもっと押し出して一般的なミステリの雰囲気に近づけるか、ハードな雰囲気と孤高の主人公のキャラクターそのままに全編その雰囲気でいくか、このどっちかだと私は読んでいて気持ちが切れなかったと思う。ナディアが出てくると、推理の雰囲気ががらっと変わってしまって読んでて疲れる・・・
 
 この作者の方は、本県に在住で、去年お世話になった教室の先生のお友達(なんてゴージャスな友達なんだ!!)らしいです。他の作品も読んでみたい・・・けど他のもこんなに分厚いのでしょうか?

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Ume

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